2011-05-30

    水がテーマの 京都自主研修はいかが?

    水口です。

    京都御苑の北東部に梨木(なしのき)神社があります。
    ここには京都三名水の一つ「染の井」があって、ペットボトルを持って水をくみに来る人がたくさんいます。

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    「染の井」は、かつて御所の染所で使われた井戸。三名水のうち御苑の中にある「県(あがた)の井」は御所の飲用水でした。そして「醒ヶ井(さめがい)」はお茶に使われていたそうですが、一時期涸れてしまい、現在は四条堀川を少し東に行った亀屋良長というお菓子屋さんが掘り直して店先に復活しています。

    三名水だけでなく、京都にはたくさんの井戸があります。
    京都の地下には琵琶湖の水量に匹敵するほどの水がめ(京都水盆という人もいる)があるというのはよく知られた話ですね。
    その水を利用して、食文化や伝統産業も発達しました。京都のくらしと井戸(地下水)は切っても切れない関係があります。

    一昨年、京都市の環境副読本「小学五年生版」の編集に携わったとき、「京都と水」のテーマのページを作りました。そのとき、水とゆかりの深い産業の多いことに驚きました。まさに、京都は豊かな地下水に支えられて発展した都市だったのです。
    この冊子は以下からダウンロードできますし、リンク集やインタビュー動画もありますので、ぜひ見てください。
    http://www.miyako-eco.jp/info/2011/05/web-1.html

    以前、発掘調査現場の見学に行ったことがあります。

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    そのとき、遺構には井戸がたくさんあることを聞いて意外に思ったことを覚えています。井戸って一軒に一つじゃないの、と思っていたから。
    昔の京都では3メートルも掘れば井戸が湧いたと言われていますが、地下の水流はときに変わるので、涸れるたびに新たに井戸を掘ったのだということでした。
    涸れた井戸には、割れた茶碗や皿などを「ほかして(捨てて)」いたので、井戸から出てくる雑器によって、その井戸の年代を知ることができるのだとか。

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    「京都と水」をテーマに、自主研修を組み立てても、興味深いと思いませんか。
    コースづくりにはカッパ研究会が作成しているHPが役にたちます。「水を巡る」をクリックすると出てくる、京都の名水マップが便利です。どうぞ。
    http://www.kappa-kyoto.vis.ne.jp/
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    2011-05-16

    京都に日本の森がある

    水口です。

    前々回、次は京都府立植物園のなかの「生態園」について書く、と予告していたにもかかわらず、そこで見つけたフタバアオイの花の話題だけで前回は終わってしまったので、今日は改めて生態園について書きます。

    正式名称は「日本の森 植物生態園」で、ぼくの一番好きなエリアです(今日の写真は、季節にこだわらず、生態園で撮ったものから選びました)。

    ここにはバラやチューリップなど観賞用のきれいな花や、華やかな桜や梅などの樹木はないかわりに、日本各地の森や林を、できるだけ自然に近い形で再現しています。
    と、口で言うのは簡単だけど、相手は生きもの。北海道から九州、水辺や鉱山の植物を育てているんだから、職員の方々の努力は並大抵のものではないと思います。

    植物園の入り口のところに「園長さんのおすすめスポット」の地図がおいてあります(必携!)。そこに書いていることば、ほんとにそのとおりだなと思います。

     職員が心をこめて育てています。
     すべての植物が勝手に咲いていません!

    生態園を歩いていると、どこかの山道に迷い込んだような錯角にとらわれることがあります。

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    京都の町中からすぐのところで、カタクリ・ウラシマソウ・アツモリソウ、それからワサビの花などが見られるなんで、ぜいたくなことだと思いませんか?

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    植物園に来たら、この生態園を歩いて、地元の自然を探してみるのもおもしろいと思います。

    2011-05-09

    フタバアオイと上賀茂神社

    水口です。

    京都府立植物園の「植物生態園」を歩いているとき、地面を這うように群生しているフタバアオイの葉の下に、小さな赤い花(つぼみ?)を見つけました。

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    これが咲くと、このようになります。かわいい。

    http://www.morgenrot.jp/flora/flowers01/futabaaoi.html

    フタバアオイといえば、この季節、「葵祭」ですね、何と言っても。
    5月15日の巡行の際、牛車や勅使の冠などを飾っているハート型の葉っぱがフタバアオイです。
    牛車の写真は手持ちがないので、冠の写真を見てください。

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    なぜフタバアオイが神聖な植物とされるようになったか、数年前、いろんな人に取材したことがあります。
    上賀茂神社の北東にある神山(こうやま)は賀茂別雷(かみわけいかづち)神が最初に降臨したといわれています。昔はフタバアオイが自生していたようで、夜露を含んだ葉が朝の光を浴びてきらきら光っている様は、まるで神様が降りてこられたように見えたんでしょうね。
    上賀茂神社にある立ち砂は神山をかたどったものです。

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    ちなみに、現在は都市化による環境の変化に伴い、このあたりではフタバアオイは姿を消し、京都市北部の山間部で採取しています。また、神社内にある「葵の森」で育てる試みも進行中です。

    「アオイ」ということばは、「アフヒ」と表記していました。「アフ」は「逢う」、「ヒ」は「日」(ヒには「霊」の意味もあるとか)なので、アオイは「神様に逢う日」にふさわしい植物であるという解釈もあるそうです。
    この解釈、ぼくはとても気に入っています。ことばには、時と知恵が凝縮されていますから。

    2011-04-11

    再開します

    水口です。

    大震災でしばらく休んでいたブログを再開します。

    ごあいさつ代わりに、皇子が丘公園で撮ったハツミヨザクラの写真、どうぞ。

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    今回の大震災では、いろんなことを考えさせられました。
    ここは私的ブログではないのであまり書けないのですが、自分なりにまとめておきたいと思っています。

    実際に災害に遭われた人、現地を見た人のコメントが報道されています。
    その多くは「ことばがない」でした。
    圧倒的な力の前に、人はことばを失い、立ち尽くすしかすべがないのかもしれません。
    しかし今はことばがなくても、これから先のためにも、いろんなことをちゃんと記録して、伝えていかないといけないと思います。

    さて、4月に入り、学校では入学式、新年度を迎えました。
    そして、修学旅行シーズンも始まります。
    修学旅行が当面中止になったり、延期が決まった学校もありますが、またいつの日か、クラスみんなで楽しく旅行できる日が来ることを、心から祈っています。
    修学旅行は子どもたちにとって、一生の思い出。
    そういえば先日BSでやっていた映画『二十四の瞳』では、小豆島の小学校は讃岐の金比羅さんと栗林公園へ、船に乗って修学旅行に行くシーンがありました。あの楽しそうな表情。

    話は変わりますが、地球温暖化対策が喧伝されるようになって、「地球のために」とか「地球にやさしい」などという表現まで登場しました。これはいうまでもなく人間が主人公の発想ですね。
    温暖化も、地震も津波も、人間にとっては大事件なんですが、考えてみると、地球の歴史の中では温暖期も氷河期もあり、大規模な地殻変動も数限りなくあったので、地球にとっては現象面では単なる日常でしかないのかも知れない。

    写真は、桜を撮りに行ったとき、ふと地面を見おろしたときに見つけた、地上の星と仲間たちです。

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    『毎日新聞』に(月一)連載されている池澤夏樹さんの「終わりと始まり」というコラムに、ポーランドの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩が引用されていました(4月6日付夕刊)。
    孫引きでスミマセン、あまりにぴったりなので引用します。

    またやって来たからといって
    春を恨んだりはしない
    例年のように自分の義務を
    果たしているからといって
    春を責めたりはしない

    わかっている わたしがいくら悲しくても
    そのせいで緑の萌えるのが止まったりはしないと

    2011-03-07

    「私の好きな木」発表会

    水口です。

    3月4日、「私の好きな木」の発表会があり、京都府立植物園に行って来ました。
    早朝は寒かったのですが、陽がさしてくると、体感的にも気分的も温かくなってきました。
    梅が見頃です。見に行く余裕はなかったけど。
    写真は、サンシュユです。

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    前にも書いたように、この観察会では、子どもが春に自分の好きな木を一本決めて、春・夏・秋・冬と、四季を通じて観察し、木の様子をスケッチします。
    そして、まとめの会で、4枚のスケッチを1枚の画用紙に並べて、そのとき感じたことを書いたり、拾った葉っぱや木の実などを貼り込んだりして、1年のまとめとします。

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    このとき、作業をしながら改めて子どもたちは四季の移ろいを感じ、木が「生きもの」であることを実感します。
    また、木によって生かされているものがいかに多いか、木の存在がどれほどありがたいものかをしみじみと思うのです。

    余談ですが、以前京都大学木質科学研究所(現在は統合して「京都大学生存圏研究所」)を取材したとき、木の研究をしている先生が、「研究すればするほど木のすごさがわかってきて、ときどき木に抱きつきたくなることがある」と言ってらしたのを思い出しました。

    そして、発表会。
    それぞれ、自分の木の前で、自分の好きな木のことを、みんなに発表します。結構、感動的。

    植物園にはたくさん(木に限らなければ12000種、12万本)の木があるのですが、選んだ木のことをだれよりも一番知っているのは、発表するその子なんだから、みんな誇らしげに発表していました。

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    参加者の子どもたちは1年やったから終わりではなく、発表後、「来年はどの木にしようか」と話し合っています。
    いわゆるリピーターがすごく多いのも、この会の特徴です。

    今年度の予定は以下の通りです。
    平成23年5月7日 (土)(第1回)
    平成23年7月9日 (土)(第2回)
    平成23年9月25日 (日)(樹木と文化)
    平成23年11月19日(土)(第3回)
    平成24年1月14日 (土)(第4回)予定
    平成24年2月11日 (土)(第5回)予定
    平成24年3月3日 (土)(第6回)予定
    午前9時30分~12時40分

    修学旅行で、1回だけというのも大歓迎です。
    木はどこにでもあるので、やり方さえ理解して、地元で「私の好きな木」を見つけたらいいんですから。
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    Author:教材研究所
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